臨床調査個人票
シャルコー・マリー・トゥース病は国の指定難病です。
日本には指定難病の医療費助成制度があります。
厚生労働省が定めた難病患者に対し、医療費の自己負担額を軽減するための公的支援制度です。
指定難病の医療費助成を受けるには、特定医療費(指定難病)受給者証(以下「医療受給者証」)が必要です。
難病指定医が作成した臨床調査個人票(診断書)と他必要書類を合わせて、都道府県・指定都市の窓口に医療費助成の申請をする必要があります。
臨床検査個人票は、診断や経過観察のために使われる患者ごとの記録表で、以下のような情報が簡潔にまとめられています。
基本情報
- 氏名、生年月日、性別、家族歴の有無
発症時期・経過
- 発症年齢、症状の進行状況、初期症状(歩行障害、筋力低下など)
身体所見
- 手足の筋力(MMTスコアなど)
- 感覚障害(触覚・痛覚など)
- 腱反射(アキレス腱反射の低下など)
- 筋萎縮の有無や程度
歩行・運動機能
- 立位・歩行の可否
- 装具や車椅子の使用状況
- バランステスト結果
神経伝導検査(NCS)
- 運動神経・感覚神経の伝導速度・振幅など
遺伝子検査の結果
- PMP22遺伝子重複・欠失などの有無
- 確定診断のための変異情報
画像検査(必要に応じて)
- 筋萎縮の程度を評価するMRIなど
生活・社会活動
- 日常生活動作(ADL)の自立度
- 就学・就労状況

臨床検査個人票は厚生労働省のホームページからダウンロードすることができます。
この個人票は、障害認定、医療支援、研究登録などにも使われることがあります。必要に応じて、主治医や専門医に相談して、自分の検査票を確認すると安心です。
特定医療費助成の申請手続き
臨床検査個人票を作成していただいてから、1ヶ月程でしょうか(過去のことでうろ覚えですいません)臨床検査個人票が送られてきました。
初めてのことだったので、臨床検査個人表が届くまでの間、先に病院の方から受け取っていた特定医療費の支給認定申請書を持って、ひとまず保健所の方へ行きました。

申請の流れは難病情報センターのサイトに詳しく載っています。
難病情報センターHPhttps://www.nanbyou.or.jp/entry/5460
保健所職員さんの指示を受けながら、申請書類の必要事項を埋めることができました。
なんだか内容が多くて、一人では無理です^^;
臨床検査個人票が届いてから、以下のものを添え、やっと書類が揃い保健所へ提出し、申請手続きが完了しました。
- 健康保険証のコピー
- 市町村民税の課税状況を確認する書類
- 世帯全員の住民票の写し
シャルコマリートゥース病とアスコルビン酸(ビタミンC)
遺伝子検査結果により、シャルコマリートゥース病と断定され、主治医から根本的な治療法は見つかっていないが、症状の進行を抑えるための研究や治療法の試みが進められていることを知らされました。
その一つに、アスコルビン酸の治験投与があるとのことで、鹿児島大学病院で行われていて、主治医が知っている方の例として、お話を聞いたところ、シャルコマリートゥース病を抱えたある親子(父親と子)がいて、父親の方が息子さんのためになればという思いで、鹿児島大学病院での治験を受けているとのことでした。
その流れで、pippiに対してもアスコルビン酸の服用の検討を促されました。
薬嫌いのpippiなので、飲まないだろうな。。。と思いながらも、とりあえずの出来ること、としてアスコルビン酸の処方をお願いすることにしました。
以下にシャルコマリートゥース病に対するアスコルビン酸投与の研究について簡単にまとめてみました。
アスコルビン酸は、一部のシャルコマリートゥース病(特にCMT1A型)に対する治療の候補として研究されました。
■ 背景
CMT1Aは、PMP22遺伝子の重複によって起こります。この遺伝子はミエリンという神経を包む膜の形成に関係しており、過剰に発現することで神経の信号伝達が阻害されます。
アスコルビン酸は、PMP22の発現を抑える作用があることが、マウスの実験で示唆されました。
■ 臨床試験の結果
人間での臨床試験も複数行われましたが
- 高用量(1~3g/日)のアスコルビン酸投与は安全ではあるが、効果は限定的という結果でした。
- 症状の進行を有意に遅らせる効果は、大規模な臨床試験では確認されませんでした。
■ 結論
アスコルビン酸は、CMT1Aに対する将来的な補助療法の一つとして期待されていましたが、現在では標準治療として推奨されていないようです。
シャルコマリートゥース病は、現時点で根本的治療法は見つかっていませんが、変形や筋力低下による機能障害に対し、リハビリテーションや装具療法等の保存治療、整形外科的治療があります。
ストレッチは、唯一有効性が示されています。
次回は、シャルコマリートゥース病とリハビリテーションについて触れていきます。


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