シャルコマリートゥース病ってどんな病気?
遺伝子変異による末梢神経疾患で、難病指定されています。
シャルコーさん、マリーさん、トゥースさんの3人が発見したためシャルコマリートゥース病と名付けられました。
通常20歳ごろまでに発症し、基本的に男女差はなく、稀に50〜60歳の発症もあるようです。
四肢遠位筋の筋力低下が徐々に進行し、同部位の感覚が鈍くなっていきますが、直接生死に関わる病気ではありません。
ほとんどの方が下肢装具、杖等の歩行補助具を使用することで仕事を継続することができます。
車椅子を使用される方や寝たきりになる方は数%〜数十%の範囲のようです。
シャルコマリートゥース病の原因は?
冒頭でもあるように遺伝子変異です。
原因となる遺伝子は60種類以上も見つかっており、これらの遺伝子変異が末梢神経の働きに異常をきたします。
しかし、どのようにしてシャルコマリートゥース病を引き起こしているのか、はっきりとしたメカニズムが解明されていません。
ただ、これら多くの原因遺伝子の中でも、PMP22という遺伝子の変異が最も多いとされています。
PMP22は、シャルコマリートゥース病全体の約40%を占めており、CMT1A型といいます。
シャルコマリートゥース病ってどんな症状が出るの?
手足の筋力低下や感覚障害で、進行すると足部の変形をきたすことがあります。
足部の変形は、凹足やハンマートゥといわれるシャルコマリートゥース病特有の症状です。
足部の筋力低下や感覚障害によりスリッパが脱げてうまく履くことができない、よくつまづく等で捻挫や骨折をすることがあります。
また、病気の進行と共に脊柱の変形を生じたり、稀に視神経や聴覚神経に障害をきたす例もあるようです。
シャルコマリートゥース病と診断されるには?
問診と神経学的診察で病気が疑われた場合、神経伝導検査を行います。
これは末梢神経の働きを調べるためです。他にも針筋電図検査や神経超音波検査、神経生検など必要に応じて行われます。
これらの検査で異常が認められた場合、遺伝子検査(採血)にて確定診断となります。
ちなみに、神経伝導速度検査の異常値は38m /s以下となっており、症状や各検査所見に基き、病型が分類(脱髄型・軸索型・中間型)されます。
検査には痛みを伴うものもあり、受ける年齢によっては負担となることもあります。
シャルコマリートゥース病の検査に費用はかかる?
遺伝子検査とはいえ患者の負担は採血のみです。PMP22遺伝子の異常を調べる検査に関しては保険適用となっていますが、他に関しては大学の研究室での解析になるようです。

シャルコマリートゥース病の治療法は
現時点で根本的治療法は見つかっていませんが、変形や筋力低下による機能障害に対し、リハビリテーションや装具療法等の保存治療、整形外科的治療があります。
薬剤としてアスコルビン酸(ビタミンC)の投与試験が行われましたが、有効性は証明できていないようです。
リハビリテーションとしては、関節拘縮予防や筋力維持のための可動域訓練、ストレッチ、運動療法が行われます。
ストレッチに関しては有効性が高いようで、家庭での自主的・継続的な取り組みが推奨されています。
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